鍼の生産工場見学に行ってきました
いつもご愛顧ありがとうございます。
12月20日に静岡の清水にあるセイリンの鍼生産工場見学に行ってきました。
セイリンは鍼灸製品、特に鍼に関しては断トツのトップシェアであり、その品質の高さとラインナップの豊富さで他の追随を許さず、世界中で最も多く使用されているメーカーのひとつです。ゆるり庵では鍼と円皮鍼(シールタイプの貼る鍼)はセイリン製のものを使用させて頂いております。

現在ではほぼ全ての鍼灸院がディスポ鍼(いわゆる「使い捨て鍼」)を使用しています(古い鍼灸院では昔ながらの鍼を使っている院がもしかしたらあるかもしれません)。ディスポ鍼の場合、患者様間で同じ鍼を使いまわすことは絶対にありません。昔は使った鍼を滅菌してまた別の患者さんに使用するのが当たり前でした。今では多くのメーカーからディスポ鍼が発売されていますが、世界で初めてディスポ鍼を開発したのがセイリンです。セイリンは元々医療の注射針などを制作していたそうですが、とある鍼灸師から鍼作りを依頼されたことから、業界の状況を調査したところ、鍼を使いまわししていることに衝撃を受け、ディスポ鍼の開発に着手したそうです。ところが発売当初は日本の鍼灸業界に全く相手にされず、ほとんど売れなかったそうです。そんな折、1980年代にAIDSの発現で状況が一変します。まずアメリカで注目され、次いで当時の厚生省から鍼灸業界へ衛生管理の通達が出て、日本でもディスポ鍼が一般化することになり現在に至ります。
日本の鍼灸は世界的にみて特殊で、管鍼法(かんしんほう)と呼ばれ、鍼を刺す際に鍼管と呼ばれるストロー状の器具を使用することで、痛みを少なくして鍼を刺入します。鍼もとても細いです。江戸時代前期に杉山和一によって考案されました。対して中国や韓国では太い鍼をそのまま直に刺します。このあたり中韓の歴史ドラマで見たことがある方も多いのではないでしょうか。中国鍼と呼ばれており日本で中国鍼を施術している先生もいらっしゃいます。管鍼法に比べると刺激が強いのが特徴です。どちらが良いとか優れているとかは人によるので一概に言えません。日本では管鍼法を行っている鍼灸院がほとんどです。個人的には管鍼法が日本人に合っているように思います。

工場見学の話に戻ると、最新設備はほぼ全自動化されており製造工程や製品管理法などとても興味深く見学させて頂きました。
色々裏話も聞けてとても面白かったです。鍼灸師同志ですともっとマニアックな話題で盛り上がるところですが、例えば、一番多く出荷されている鍼はJ-Sakuraの寸3-1番、パイオネックスは0.6mmなんだって、とか、鍼先に塗布されたシリコンはたとえ何百回単刺で刺し直しても絶対剝がれないんだって、とか語ってもなんのこっちゃですのでこの辺にしておきます。
以前から工場見学は興味があったのですが、個人での申し込みは不可とのことであきらめていましたが、今回、ネットで募っていた見学会があったので参加しました。
企画していただいた、縁里庵かつもと鍼灸院の勝元先生、セイリン社ご担当の方々、とても有意義な時間を過ごすことができました、ありがとうございました。


