横浜地方裁判所へ行ってみた(裁判傍聴のすすめ)
いつもご愛顧いただきありがとうございます。
今回も鍼灸とは関係のない、「裁判傍聴」についてご紹介したいと思います。興味のない方はスルーしてください。
ハマスタナイターと横浜地裁
先週の木・金(店舗の休日)に、連日の横浜スタジアムでのナイター観戦にあわせて、横浜地方裁判所へ裁判傍聴に行ってきました。牛久からハマスタまで1往復3,000円、所要時間は5時間ほどかかるので、木曜は泊まり、金曜の午前中から裁判所へ足を運びました。
横浜地裁はハマスタのすぐそば。牛久に引っ越す前は、平日ナイターの日中に地裁へ行くのが自分のゴールデンコースでした。
なぜ裁判傍聴?その魅力
裁判傍聴は誰でも無料で朝から夕方まで参加でき、しかも夏は涼しく、冬は暖かい。映画やドラマでしか見たことがない裁判の様子を、間近で体感できます。
刑事、民事問わず多くの裁判が同時並行で行われており、ロビーのスケジュール表から自由に選ぶことができます。
私自身は主に刑事裁判を傍聴します。人間模様の交錯、時に涙を誘う場面など、想像以上に考えさせられる時間です。
傍聴のコツ:「新件」がおすすめ
裁判はそれぞれ「新件」「審理」「判決」に区別されていて、「新件」がお勧め。「新件」は初公判で、事件の概要や被告人の認否、弁護人の主張などが聞けて非常にわかりやすいです。
次におすすめは「判決」。判決とその理由の言い渡しで10分程度で終わって非常にコンパクト。ただ、そこに至る経緯がわからないのでよくわからないこともあります。
ずっと同じ裁判を追っているような場合以外は「審理」はお勧めしません。
過失運転致死:2つの判決の違い
この日、同じ法廷で連続して行われた同じ裁判官による「過失運転致死」の判決を傍聴しました。
共通点は:
・被告は車で事故を起こし、被害者を死亡させてしまった
・起訴事実を全面的に認め、反省と謝罪の意を示している
・任意保険で補償済み
・前科なし
・求刑は実刑1年
それぞれのケースは以下の通り:
A) 30代まじめそうなサラリーマン風男性。駐車場から道路に出る際に前方不注意でバイクに衝突。バイクの男性死亡。バイク側は法定速度を超過。
B) 20代まじめそうな男性。雇用主の車を運転中、後部座席の雇用主に急ぐように指示され法定速度40km/hの道路を90km/hで走行。事故で雇用主が車外に投げ出され死亡、自身も重傷。
判決はどちらも禁固1年。ですが、一方は執行猶予3年がついて実刑を免れました。
実刑となったのはどちらでしょう?
答えはBです。
執行猶予の有無が運命の分かれ道となりました。裁判官が違ったらどうだったのか、弁護士が違ったらどうだったのか、色々考えてしまいました。Bの傍聴席では母と姉と思われる女性2人が泣いていました。事故の1秒前まで普通の一般市民だった人が、一瞬で「被告」になってしまうという現実。過失運転致死の裁判を傍聴するたびに、これは誰にでも起こり得ることであり、車の運転がいかに怖いものかを実感します。
私自身、車の運転が大好きでしたが、徐々に見づらさが増し、ヒヤッとする場面が増えていき、次第に運転に恐怖を感じるようになり、運転を控えるようになりました。
しかし、いざ免許返納となると、なかなか踏ん切りがつかず、寂しさや悲しさ、それを失うことで「自分が無能な人間になってしまうような思い」にとらわれました。
それでも最終的に返納を決めたときは、「これで人を傷つけることはないんだ」と自分に言い聞かせたのを思い出します。
この日傍聴した裁判は次のようなものでした
麻薬及び向精神薬取締法違反
大麻の不法所持。24歳の今どき風の男性。渋谷のクラブで売人から大麻を購入し、自宅で数回吸引。路上で職務質問を受けた際、ポケットに所持していた大麻を警察官が発見し、その場で逮捕されました。
検察の求刑は懲役1年。被告人および弁護人は起訴事実を全面的に認め、争わず反省の姿勢を見せており、執行猶予を求めています。情状証人として出廷した母親は、今後の監督と更生への協力を誓いました。
争点がなく、審理は行われず、次回は7月に判決言い渡しが予定されています。初犯であり、反省の態度も明確であることから、一般的には執行猶予が付くと予想されます。
性的姿態等撮影未遂
罪名を見たとき、「なんだこれは?」と興味が湧いて傍聴しました。内容は、いわゆる盗撮未遂事件です。性犯罪の裁判は好奇心からか傍聴人が多い傾向があります。
被告は40歳のやせ型の男性。3月、商業施設のガチャポンコーナーでミニスカートの女性がかがんだ瞬間、スカートの中にスマホを差し出そうとしたところを通行人に取り押さえられ、警察に引き渡されました。
本件は未遂に終わりましたが、押収されたスマホからは多数の盗撮画像が見つかりました。被告は過去にも盗撮で逮捕歴があり、その際は略式起訴で罰金50万円。今回は再犯で、しかも前回からあまり時間が経っていないうちの犯行です。
検察の求刑は懲役1年の実刑。弁護側は、逮捕以来商業施設には行っていないこと、カメラ機能を排除した改造スマホを使用していること、自主的に心療内科に通院していることなどを挙げて執行猶予を求めました。また、母親も証言台に立ち、監督を約束しました。起訴事実を全面的に認めており、争点がないため審理は行われず、次回は7月に判決言い渡しが予定されています。これは微妙なケースで、裁判官の判断が注目されます。結果を知りたいところです。
「懲役1年」と「禁錮1年」の違いってわかりますか?
「懲役」は刑務作業あり、「禁錮」は作業義務なし。しかし法改正により2025年6月からは「拘禁刑」に一本化されます。今はちょうど過渡期です。
裁判傍聴、本当におすすめです
これは以前から思っていることですが、青少年にこそ裁判傍聴の機会を作るべきだと思います。拘置中の被告は手錠に腰縄で刑務官2人とともに法廷に現れ、かなりインパクトがあります(在宅起訴の被告はキレイな身なりをして来ます)。検察官や被害家族から被告に向けられる厳しい言葉、情状酌量を求めて泣きながら謝罪し今後の更生と監督を誓う母親、それを見て涙を流す被告。判決では、実刑が確定し、傍聴席で泣き崩れる親、兄弟姉妹。
こうした現実に触れることで、犯罪を犯すことがどれだけ多くの人を傷つけ、悲しませるのかがリアルに伝わるはずです。道を踏み外しそうになったときに、思いとどまるきっかけになると思います。
あはき法19条をめぐる裁判
「あはき法」(正式名称:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)に関連する裁判では、業界では有名な「あはき法19条をめぐる裁判」というのがありました。当時、非常に興味があったので東京地裁の判決を傍聴に行きました(希望者が多く抽選になってはずれました)。知らない人も多いかと思いますが、色々思うところがあるのでまた別の機会に書きたいと思います。
茨城の地裁にも行ってみたい
茨城の地裁は水戸にあり距離がありますが、龍ヶ崎と土浦に支部があります。龍ヶ崎は件数が少ないものの、土浦では一定数の裁判が行われているようなので、近いうちに傍聴に行ってみようと思っています。

















