広島で鍼あん摩を受けに行ってみた (あん摩はり灸治療院 清流堂)
いつもご愛顧ありがとうございます。
9月3日~5日に広島を訪れ、その際に鍼あん摩の施術を受けてきました。
5日の帰りはまさかの台風列島縦断が重なり、危うく帰れなくなりそうでしたが、無事戻って来れました。
「あん摩はり灸治療院 清流堂」
今回訪ねたのは、広島市内にある「あん摩はり灸治療院 清流堂」さんです。院長の清田郁也先生は、33年間にわたり「広島県立広島中央特別支援学校」で理療科の教員を勤められ、さらに20年前には私が昨年度お世話になった筑波技術大学附属医療センターで研修経験もお持ちで、直接お話を伺えるのが楽しみになりました。
ホームページが更新されていない不安
気がかりだったのは、ホームページが2016年から更新されておらず、料金も「1時間4,000円」と非常に安価なままになっていたこと。本当に営業されているのか半信半疑でしたが、思い切って電話をしてみると、とても優しく感じの良い先生で、事情をお伝えすると快く施術と見学を引き受けてくださいました。
アクセスはローカル線「芸備線」で
清流堂は広島駅から芸備線で2駅・約10分の戸坂駅下車、そこから徒歩10分ほどの場所にあります。芸備線は単線で1時間に2本ほどのローカル線で、私の育った茅ヶ崎を走る相模線を思い出しました。



良心的すぎる料金設定
先生は電話の印象どおり、実際にお会いしてもとても気さくで温かい方でした。施術は30分と60分のコースがあり、基本はあん摩で、必要に応じて鍼を加えるスタイルとのこと。あん摩を中心に、要所で鍼を打つ施術でした。驚いたのは料金で、ホームページには「60分4,000円」とありましたが、実際は「60分3,000円」。理由を伺うと「30分コースでも40〜45分はかかってしまい、それで2,000円なのに60分で4,000円だと申し訳なくて…」とのことでした。お人柄が表れています。現在は既存の患者さんで手一杯のため積極的に新規の集客はされておらず、なのでホームページも更新していないそうです。良心的な料金もあり、近隣の方が定期的に通っていて、まさに私たちのお手本のような地域に根差した治療院です。保険診療も行っており、広島特有の原爆手帳を持つ方も来院されるそうです。また、教え子の卒業生に保険診療やレセプト(保険請求)の指導を今でも続けている、とても面倒見の良い先生です。
教員から開業へ ― 基本を大切にする姿勢
清田先生は定年の60歳を待たず、56歳で開業され、今年で10年目を迎えられるとのこと。最初の3年間は理療科の臨時講師を続けつつ、その後は治療院一本に専念されたそうです。信条は「学校で教えていることをきちんとやれば、開業してもやっていける」。多くの施術者は経験を重ねる中で自分流を取り入れ、養成校で学んだ形から少しずつ離れていきますが、先生のあん摩はまさに養成校で教わる基本に忠実なあん摩でした。





独特の鍼施術 ― 短い鍼で腸腰筋へ
鍼については少し独特で、使用するのは1寸の0番という短く細い鍼(1寸は3cm)。これをメインに使っている鍼灸師は珍しいのではないでしょうか。基本的にどの部位もこの鍼を使用し、置鍼はせずほぼ単刺のみ。パルスやお灸も使わないそうです。
今回は妻が施術を受けましたが、腰痛があったため腸腰筋を狙って鍼をしてくださいました。その際も、うつ伏せで腰から1寸0番の鍼を使用。腸腰筋はインナーマッスルで深部にあるため、通常、うつ伏せだと3寸(約9cm)などの長い鍼を使うのが一般的です。ところが短い鍼にもかかわらず、妻曰く「骨盤の中にまで響きが伝わり、とても効いた」とのこと。不思議な感覚でした。以前は長い鍼を使っていたそうですが、長年の経験から現在のスタイルにたどり着いたそうです。簡単に真似できるものではなく、まさに熟練の技だと感じました。



広島の理療科卒業生の進路事情
広島県の理療科卒業生の進路は、鍼灸院・訪問マッサージ会社・独立開業が多いとのこと。清田先生が退職されてから状況は変わっているかもしれませんが、企業内マッサージ(ヘルスキーパー)が多い首都圏とは少し事情が違うようです。
知り合いの知り合いは知り合い
視覚障害者の世界は狭く、直接の知り合いでなくても、知人の知人という関係でつながることが意外と多いものです。私が卒業した養成校の先生にも清田先生のお知り合いがいらっしゃいましたし、現在筑波技術大学医療センターにお勤めの先生方とも交流があったそうで、私の知っている先生の若かりし頃のお話を聞かせていただき、とても楽しいひとときでした。
学び多き広島の旅
正味1時間強の施術で代金3,000円! 電車の時間が迫っていたため慌ただしくお店を後にしました。清田先生、楽しいお話と学びの多い施術を本当にありがとうございました。とても勉強になりました!
広島で感じる違和感
話はがらりと変わります。私は野球好きで、多い年には年に5回ほど広島を訪れていました。牛久に引っ越してからは今回が初めてで、3年ぶりの広島です。訪れるたび、必ず平和記念公園に足を運んでいます。
そんな私ですが、広島で違和感を感じることがあります。
私は物事を素直に受け取るタイプではなく、つい世の中を斜めから眺めてしまう性格なので、その前提で読んでいただければと思います。
広島市は地球上で初めて原爆が投下された場所で、市内の至るところに慰霊碑やモニュメントがあり、平和記念資料館には毎日多くの人が訪れています。核兵器の恐ろしさや平和の尊さを強く訴える場であり、私自身「核兵器を保有する国のリーダーだけでなく、全人類が一度は広島を訪れれば世界はもっと平和に近づくのに」と真剣に思っています。
その一方で、快速電車で30分ほど行った呉市には「大和ミュージアム」があります(現在は改装中で小規模展示のみ)。そこでは、戦争で戦うために造られた戦艦をなかば神格化し、まるで「カッコいい」と感じさせるような展示が行われています。
「核兵器反対、戦争反対」と強く訴える一方で、戦艦大和を英雄的に扱う。その両者の間に、どうしても埋められない違和感を覚えるのです。
事実として、戦艦大和の乗員3,332名のうち、実に3,056名もの方々が命を落としました。その現実を前にしたとき、「大和はカッコイイ船だった」と語ることに、私は複雑な気持ちを抱いてしまいます。
違和感を受け止める
とはいえ、大和ミュージアムの展示は、ただ戦争を美化しているわけではありません。戦艦大和の巨大さや技術力、乗組員たちの生活や努力を学ぶことで、戦争という過酷な現実を理解する手がかりにもなります。戦争の悲惨さと、当時の人々の献身を知ることで、平和の大切さを改めて考えるきっかけにもなると思います。
広島と呉、二つの場所を訪れ、異なる視点から戦争を学ぶことで、私は戦争の恐ろしさと同時に、人間の努力や犠牲の重みも感じました。どちらも同じ現実の一部であり、表現の方法は違えど、私たちに伝えようとしているものは「平和の尊さ」なのかも知れません。
広島で感じた違和感は、決して消えるものではありませんが、それを意識しながら両方の展示を見比べることで、戦争を理解する深さが増すのかも知れません。













